出土した遺物

縄文時代の遺物は土器、土製品、石器、石製品と多彩です。土器は中期前半~後期前半のものが出土していますが、主体を占めているのは中期(約5,500年前)の中頃から終末の土器です。およそ250点の土器が復元されており、これらの中でも特徴的なものが火焔型・王冠型土器です。火焔型土器はその内側に炭化物(オコゲ)が付着した例が見られることから、煮炊きに使われた土器であることがわかっています。しかし、その優美な文様装飾から、祭器であると考えられています。その他には、北陸・東北・関東地方からの影響を受けた土器があります。これらも火焔型土器の誕生や笹山遺跡の他地域との交流を解明する上で重要です。

土製品はミニチュア土器、土偶、土製耳飾、土製円盤、土製三角とうなどが出土しています。土偶の中では、三角形土偶と呼ばれる小形の土偶が特徴的です。土製三角とうはその用途がよくわかっていませんが、三角形土偶と合わせて火焔型土器と共に出土する特徴的な遺物です。これらの土製品は、縄文人の衣服や祭祀の様子を私たちに伝えています。

石器には狩猟具として石鏃、石槍、石錘、浮子、加工具として石錐、石斧、剥片石器、砥石、調理具として石匙、磨石、凹石、敲石、石皿などが出土しています。これらの他に、三脚石器、板状石器がありますが、用途はよくわかっていません。これらの石器には、縄文人の道具箱の中身一式がそろっています。

石製品は石製垂飾、石棒、石製三角とう、穿孔石製品などがあります。石製垂飾は首飾(ペンダント)です。石製三角とう・穿孔石製品は用途不明ですが、石棒と同様に祭祀に使われた宗教的な道具と考えられています。

出土した土器

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